こんにちは、さゆりです。 みなさん、元気ですか?
突然ですが、みなさんは日本のお店やレストランの店員さんに対して、どんなイメージがありますか。日本は「おもてなし」の国というイメージがありますか。「おもてなし」というのは、お客さんにとても親切で、丁寧だということです。日本ではお店やレストランに行くと、親切で丁寧なサービスが受けられると思っている人が多いのではないでしょうか。 でも最近、その日本のサービス文化に、とても大きな変化が起きています。
今日のニュースは、今話題の言葉、「カスハラ」です。2025年4月、今年の4月から、東京都で新しいルールが作られました。これは、日本で働く人、そしてこれから日本で働きたいと思っている外国人の方にとっても、とても大切なニュースです。 では始めにニュースを聞いてみましょう。
「東京都は、客が店員に対して理不尽な要求や迷惑行為をする『カスタマーハラスメント』、いわゆる『カスハラ』を防止するための条例を成立させました。これは全国で初めてのルールで、2025年4月から施行されています。近年、客からの暴言や、土下座の強要などによって、働く人が精神的に追い詰められるケースが深刻な社会問題になっています。この条例により、企業は従業員を守るための対策をとることが義務付けられます。これを受けて、多くの日本企業も『お客様は神様』という従来の方針を見直し始めています。」
みなさん、ニュースの内容がわかりましたか? それでは、内容をゆっくり確認しましょう。
まず、一番のキーワードは「カスハラ」です。 これは「カスタマー(お客さん)」と「ハラスメント(嫌がらせ)」を合わせた言葉です。「カスタマーハラスメント」を短く言うと、「カスハラ」になります。
ニュースでは、東京都が「条例」を成立させたと言っていました。条例というのは、「ルール」のことですが、国が決める「法律」とは少し違います。東京都や大阪府など、その「町や県」だけで守るルールのことです。今回は「東京の条例」ですから、東京のルールです。今まで日本には、お店で働く人を、悪いお客さんから守るための法律がはっきりとありませんでした。そして、「条例を成立させました」とニュースで言っていましたが、成立すると言う言葉を知っていますか。これは、話し合いが終わって、そのルールや計画が「正式に決まる」という ことです。「条例が成立した」というのは、「条例が正式に完成した」という意味です。 でも、最近はお客さんの態度がひどくなっていて、例えば……
店員に「死ね」とか「バカ」とひどい言葉を言う。
自分のミスなのに「商品を交換しろ!お金を返せ!」と無理なことを言う。
店員の写真を勝手に撮って、SNSに載せて悪口を書く。
こういうことが増えてしまいました。店員に対して言うひどい言葉のことを「暴言」と言います。自分のミスなのに「商品を交換しろ!お金を返せ!」など無理なことを言う。このようなことを「理不尽な強要」と言うことができます。理不尽というのは、理由がなくて、納得できないことです。自分は悪くないのに、相手が怒っているときなど「理不尽だな」と感じます。強要は相手が嫌がっているのに、無理矢理何かをさせることです。ニュースに出てきた「土下座の強要」というのは、地面に膝をついて謝れ!と無理矢理命令することです。このような暴言や、理不尽な強要のせいで、働く人が病気になったり、仕事を辞めたりしています。ニュースの中では働く人が精神的に追い詰められるケースが深刻な社会問題になっていると言っていました。「追い詰められる」という言葉は少し難しい言葉ですね。「追う」は「追いかける(Chase)」こと。「詰める」は「スペースをなくす」ことです。つまり、逃げる場所がなくなるまで追いかけられて、どうにもできなくなることです。ニュースの「精神的に追い詰められる」というのは、心がとても苦しくて、もう逃げ道がないと感じてしまう、とても辛い状態のことです。このようなことが深刻な社会問題になっています。深刻とは、問題がとても大きくて、危ない状態のことです。「深刻な問題」や「深刻な悩み」のように使います。軽く考えてはいけない、シリアスな状態です。そこで東京都は、「働く人を守るために、悪いことは『ダメです』と言えるルールを作りましょう」と決めたのです。これが今年の4月からスタートしました。東京都は従業員、働く人を守ることを義務付けています。義務付けるというのは、「絶対にやらなければいけない」と決めることです。「義務」は英語でDutyです。「やりたい人がやる」のではなく、「必ず全員 やってください」という強いルールです。
ニュースの最後に「お客様は神様」という言葉がありましたが、これを聞いたことがありますか。日本では昔から、演歌歌手の言葉がきっかけで「お客様は神様です」という言葉が有名になりました。これは「神様のように大切にお迎えしよう」という意味だったのですが、いつの間にか「客は何をしてもいい」「客は一番偉い」と勘違いする人が増えてしまいました。でも日本の会社はこの従来の方針を見直し始めています。従来というのは「今までのやり方」や「昔からずっと」という意味です。方針はこれからどう進むか、という方向や計画のことです。この従来の方針を見直しています。見直すというのは、もう一度見て、悪いところがあれば変えることです。「従来の方針を見直す」というのは、「昔からのやり方をやめて、新しいやり方に変える」という意味ですね。
さて、ニュースの内容はよくわかりましたか。それでは、始めに聞いたニュースをもう一度聞いてみましょう。
「東京都は、客が店員に対して理不尽な要求や迷惑行為をする『カスタマーハラスメント』、いわゆる『カスハラ』を防止するための条例を成立させました。これは全国で初めてのルールで、2025年4月から施行されています。近年、客からの暴言や、土下座の強要などによって、働く人が精神的に追い詰められるケースが深刻な社会問題になっています。この条例により、企業は従業員を守るための対策をとることが義務付けられます。これを受けて、多くの日本企業も『お客様は神様』という従来の方針を見直し始めています。」
2回目は1回目よりもよくわかりましたか。
それでは最後に今日紹介したニュースの言葉をもう一度復習しましょう。3つのグループに分けて説明しますね。
一つ目のグループは、新しいルールについての言葉です。
① 条例(じょうれい) これは「ルール」のことですが、国が決める「法律」とは少し違います。東京都や大阪府など、その「町や県」だけで守るルールのことです。
② 防止する(ぼうしする)悪いことが起きないように、前もって止めることです。「事故を防止する」「トラブルを防止する」のように使います。
③ 成立する(せいりつする) これは、話し合いが終わって、そのルールや計画が「正式に決まる」ことです。「条例が成立した」というのは、「条例が正式に完成した」という意味です。
④ 義務付ける(ぎむづける) 「絶対にやらなければいけない」と決めることです。「義務」は英語でDutyです。 「全員、必ずやってください」という強いルールです。
次は変化についての言葉のグループです。
⑤ 従来(じゅうライ)「今までのやり方」や「昔からずっと」という意味です。「従来の考え方」と言ったら、「昔からの古い考え方」というニュアンスになります。
⑥ 方針(ほうしん)これからどう進むか、という方向や計画のことです。「会社の方針を決める」というのは、「これから会社をどうしていくか、プランを決める」ということです。
⑦ 見直す(みなおす)もう一度見て、悪いところがあれば変えることです。「従来の方針を見直す」というのは、「昔からのやり方をやめて、新しいやり方に変える」という意味ですね。
次はお客さんの行動についての言葉のグループです。
⑧ 理不尽(りふじん)理由がなくて、納得できないことです。自分が悪くないのに相手が怒っている時など、わがままで道理に合わないことを言います。
⑨ 暴言(ぼうげん)人を傷つける乱暴な言葉、ひどい言葉のことです。殴ったり蹴ったりするのは「暴力」、言葉で攻撃するのは「暴言」です。
⑩ 強要(きょうよう)相手が嫌がっているのに、無理矢理何かをさせることです。「土下座の強要」は、無理矢理「謝れ!」と命令することですね。
⑪ 追い詰められる(おいつめられる)「追う」は「追いかける(Chase)」ことです。「詰める」は「スペースをなくす」ことです。つまり、逃げる場所がなくなるまで追いかけられて、どうにもできなくなることです。「精神的に追い詰められる」というのは、心がとても苦しくて、もう逃げ道がないと感じてしまう、とても辛い状態のことです。
今回は、たくさんの言葉を勉強しました。
今、日本は「人手不足」です。働く人が足りません。店員さんが「もうこんな店で働きたくない!」と辞めてしまったら、お店は困りますよね。だから、お店側も「神様」よりも「働く人(従業員)」を大切にするように変わってきました。
みなさんがもし、日本のコンビニやレストランでアルバイトをする時、理不尽なお客さんが来たら、我慢しなくていい時代になりつつあります。「お客様は神様」の時代は、終わり始めています。
今日は、日本のサービス変化と「カスハラ」について、詳しく話しました。みなさんの国ではどうですか?お店で働く人は、お客さんに対して強い立場ですか?それとも弱い立場ですか?また、「お客様は神様」のような言葉はありますか?
日本の文化も、時代に合わせて少しずつ変わっています。みなさんの国の文化はどうですか。ぜひコメントで教えてください。このポッドキャストのスクリプトは、概要欄のURLから見ることができます。聞きながら内容を確認したいかたは、ぜひ見てみてください。それでは、今日はここで終わります。また次のポッドキャストでお会いしましょう!