こんにちは、さゆりです。みなさん、お元気ですか。
さて、みなさんは自分の名前を漢字で書きますか。日本では、子どもが生まれたとき、親が名前を考えて、役所に届けを出します。このとき、実は「名前に使える漢字」が法律で決まっているんです。知っていましたか。好きな漢字を何でも自由に使える、というわけではないんです。そして今年、その漢字が1字だけ増えました。今日は一緒にこのニュースを聞いてみましょう。
まず、ニュースに出てくる大切な言葉を6つ紹介します。
戸籍: 国が、家族の関係や名前を記録しておく、公式の書類のことです。
常用漢字: 国が決めた、毎日の生活でよく使う漢字のリストです。今は2,136字あります。
人名用漢字: 常用漢字ではないけれど、名前になら使ってもいい、と特別に認められた漢字のリストです。
改正: 法律やルールの一部を直して、新しくすることです。
受理: 役所などが、書類を正式に受け取ることです。
追加: あとから足すことです。
それではニュースを聞いてみましょう。今日のニュースには、裁判の話が出てきます。少しむずかしい言葉もありますが、あとでゆっくり説明しますから、1回目は「なんとなく」で大丈夫ですよ。
「社会のニュースです。法務省は6月26日、戸籍法施行規則を改正し、名前に使える漢字に『勒』という字を1字追加しました。
日本では、子どもの名前に使える文字が決まっています。常用漢字2,136字と、人名用漢字、それからひらがなとカタカナです。今回の追加で、人名用漢字は864字になりました。常用漢字と合わせると、名前に使える漢字は、ちょうど3,000字になります。
きっかけは、裁判所の決定でした。『勒』を使った名前の出生届が受理されなかったことをめぐる裁判で、大阪高裁は、この字は社会通念上明らかに常用平易な文字だとして、受理するように命じました。
人名用漢字に漢字が追加されるのは、2017年に『渾』が加えられて以来、およそ9年ぶりです。」
どうでしたか。よくわかりましたか。では、内容を整理しましょう。
一番のポイントは、日本では名前に使える漢字が決まっていて、その漢字が今年、1字増えた、ということです。そして全部で、ちょうど3,000字になりました。数字がきれいに揃ったので、ニュースでも話題になりました。
まず、日本の名前のルールを説明しますね。子どもの名前に使えるのは、常用漢字と人名用漢字、そしてひらがなとカタカナです。常用漢字は2,136字。新聞や教科書で使う、生活に必要な漢字のリストです。人名用漢字は、常用漢字には入っていないけれど、名前になら使ってもいい、という漢字です。今回追加された「勒」も、2017年に追加された「渾」も、この人名用漢字ですね。この2つを合わせて、ちょうど3,000字。みなさんは、多いと思いますか。少ないと思いますか。
そして、今「ひらがなとカタカナも使える」と言いましたね。そうなんです、名前は漢字じゃなくてもいいんです。実は、私の名前「さゆり」もひらがなです。漢字では書きません。日本人の名前は漢字のイメージが強いかもしれませんが、ひらがなの名前の人も、いるんですよ。
では、今回追加された「勒」は、どんな漢字でしょうか。読み方は「ロク」です。意味は、馬の口につける金具、「くつわ」のことです。「おさえる」という意味もあります。漢字検定では1級の、かなりむずかしい漢字ですよ。
ところで、どうしてこんなリストがあるのでしょうか。それは、むずかしすぎる漢字を名前に使うと、その子どもが一生、困ってしまうからです。読んでもらえない。書いてもらえない。だから法律では、「常用平易な文字」、つまり「みんなが読めて、書ける、やさしい文字」を使いましょう、となっているんです。
では、どうして「勒」が、この「やさしい文字」の仲間に入ったのでしょうか。ニュースでは「きっかけは、裁判所の決定でした」と言っていましたね。ゆっくり説明しますね。
日本では、赤ちゃんが生まれたら、役所に「出生届」という紙を出します。「出生」は生まれること、「届」はお知らせする紙のことです。この紙に、赤ちゃんの名前を書きます。
あるご家族が、「勒」の字を使った名前を書いて、この出生届を出しました。でも役所は、受け取ってくれませんでした。リストにない漢字だったからです。ニュースでは「受理されなかった」と言っていましたね。「受理」は、役所が書類を正式に受け取ることです。
そこでこの家族は、裁判所に相談しました。そして大阪高裁、正しくは大阪高等裁判所ですが、そこがこう判断しました。「この字は社会通念上明らかに常用平易な文字だ」。むずかしいですね。分けて考えましょう。「社会通念上」は「世の中のみんなが普通にそう考えている」。「常用平易」は「よく使われていて、やさしい」。つまり「この漢字は、みんなが普通に読める、やさしい字ですよ」ということです。だから裁判所は役所に「受理しなさい」と命じました。「命じる」は、強く「〜しなさい」と言うことです。
そして今年、法務省がこの決定を受けて、「勒」を正式にリストに加えました。一つの家族の願いから、日本中のルールが変わったんですね。
ちなみに、名前のルールは去年も変わりました。2025年5月から、戸籍に名前の「ふりがな」も書くようになったんです。日本の名前は、同じ漢字でもいろいろな読み方ができるから、書くようになったようです。みなさんも、日本人の名前の読み方で困ったことがあるかもしれません。
それでは、今日のニュースをもう一度聞いてみましょう。
「社会のニュースです。法務省は6月26日、戸籍法施行規則を改正し、名前に使える漢字に『勒』という字を1字追加しました。
日本では、子どもの名前に使える文字が決まっています。常用漢字2,136字と、人名用漢字、それからひらがなとカタカナです。今回の追加で、人名用漢字は864字になりました。常用漢字と合わせると、名前に使える漢字は、ちょうど3,000字になります。
きっかけは、裁判所の決定でした。『勒』を使った名前の出生届が受理されなかったことをめぐる裁判で、大阪高裁は、この字は社会通念上明らかに常用平易な文字だとして、受理するように命じました。
人名用漢字に漢字が追加されるのは、2017年に『渾』が加えられて以来、およそ9年ぶりです。」
2回目は1回目よりもよくわかりましたか。
みなさんの名前を漢字で書くとしたら、どんな漢字を使いたいですか。それから、みなさんの国には、子どもの名前のルールがありますか。何でも自由につけられる国もあれば、使える名前のリストがある国もあると聞きます。ぜひコメントで教えてください。
今日は、名前に使える漢字がちょうど3,000字になったというニュースを紹介しました。このポッドキャストのスクリプトは、私のブログで見ることができます。ブログの中には、文法や語彙の解説、クイズも用意してあります。ぜひ、復習に使ってみてくださいね。そして日本語のレッスンに興味がある方、私はitalkiというプラットフォームで日本語を教えています。レッスンについても概要欄のURLから見られるので、ぜひ見てみてください。それでは、今日のポッドキャストはここで終わります。また次のポッドキャストでお会いしましょう。